実は、みんな知らない原子爆弾

エンリコ・フェルミを知ってたら、あなたは結構な科学通(つう)。僕は20世紀に多大な影響を与えた著名人ベスト3に、軽く エンリコ・フェルミ を入れちゃうぐらい、このひとがいなかったらどんだけ世界は違っていたか、と惚れ惚れする頭脳。

所詮、その他なん億人がどうであれ、民族や国家の影響からは脱走できないけれど、 エンリコ・フェルミ がいなければ広島と長崎に原爆は投下されずに、第二次世界大戦は集結せざるをえないくらいアメリカのトルーマンは小粒の大統領であったし、スターリンは1953年には死亡する運命だったから世界を制覇するには至らなかった。アメリカがマンハッタン計画を起草し、オッペンハイマーがどれだけ調整能力に長けた天才であったからといって、フェルミはいなければ原子爆弾は間に合わなかった。

原子爆弾の製造原理を知らずに、核抑止力やら脱原発とかをほざくアホには、正確にアホと明示。

確かに、物理学はとっつきにくいし、方程式どころか相対性理論など大学院生でもムリ。だ、け、れ、ども、基礎がしっかりした洞察力を持っていれば理論のキモのところを自分で抽出し、歴史過程での発達経過を追っかけられれば、自らの血肉化は可能です。

僕は、現在を生きる若者が知っておくべき知識の最初にくるのがフェルミが築き上げた核分裂、連鎖反応、ならびに起爆論理だと思っています。そりゃ、ニュートン力学も重要だけれど、それで殆どの文系人間は思考停止しちゃうんだから、もっと現実的な「事実」を観れたほうがいい。いつも思うに、みなさん原爆がなんで秒殺で発火して都市が燃え散るか、知らないでしょ。きっと、僕も含めてバーチャルでイメージが先行しているだけ。事実として目の前で原爆爆発を見たヒトは僅かしか現存していなく、されどそのイメージによって世界は支配されている。そのイメージや理屈どころか、何も知らないがゆえに原爆を一番応用できたのは毛沢東であり、故に超大国となった中国の天安門に掲げられるのも、やっぱり毛沢東。