バタイユ、エロティシズム

オジさんによるバタイユ解説。

ジョルジュ・バタイユ、切れ味のある文章を書くし、タブーを好んで取り上げる姿勢も好奇心を煽るに足る才能を有していますが、文献によってのバラつきが極めて多い(そこが持ち味でもありますが)。

タイトル買いされがちな「エロティシズム」ですが、訳者を問わず「ちょっと長すぎ」。言いたいことは、まえがきの最初の4行で済んじゃうし、これを読破したとかいうヒトは真正で才覚がある哲学者でしょか。

バタイユには「無神学大全」っていう三部作があって、こっちの方が「論理的ではなく」、思いつきで書いてるとバタイユ自身が言ってるけど逆に読みやすい。どうもバタイユが論文形式で書いたのを読むと、少し後世のフーコーにどうしても論文のシャープさで負けてしまうので、やっぱりバタイユは思いつきで感情がまま書くのが合ってる。