オジさんによるバタイユ解説。 ジョルジュ・バタイユ、切れ味のある文章を書くし、タブーを好んで取り上げる姿勢も好奇心を煽るに足る才能を有していますが、文献によってのバラつきが極めて多い(そこが持ち味でもありますが)。 タイトル買いされがちな「エロティシズム」ですが、訳者を問わず「ちょっと長すぎ」。言いたいことは、まえがきの最初の4行で済んじゃうし、これを読破したとかいうヒトは真正で才覚がある哲学者でしょか。...
バタイユ、エロティシズム
レトリックとアレゴリー
修辞学ってのが西洋ではギリシャ時代からあり、ってかもっと古くからあっただろうけど現存する文献が古代ギリシャからしかないからそういうのだろうけど、中国語でも古代インドでも言語を修飾するレトリックは当然あります。 レトリックが生じた動機が言語への「飾り」なのか、はたまた別の目的であったのかは不知ですが、昨今のレトリックの使用目的は「読者を識別するため」が良いと思われる。要するにバカには読めない、理解できないように高貴さを守るために。 さて、ではアレゴリーはどうだろうか。...
マスゴミの中身は
マスゴミの、当の本人たちが「本当は自分たちは大いなる勘違いをしている」と、感じているのも疑わしい、が大衆が羨望するマスゴミの中身ってルックスと学歴だけ、と言っても過言でない、熟成されたゴミ状況。 敢えて言うけれど、たかだか早慶出身でルックスが良いアナウンサーを、なんか凄い人たちと勘違いしている。 早稲田や慶應とか、小さい頃から仕込まれれば入学できるし、多少の美容整形とアナウンサー専門学校に行ってただけの「ただのヒト」だけよ。...
ぼんやりしていて、何が変化しているのかわかりにくい今
もちろん、大衆社会って呼び名は400年前から流布しているので、現在の「ぼんやりしている」のが大衆社会の問題だよぉ~ん、って帰結するのは淡白すぎる。 誰でも感じているとおり、現在進行中の病巣は「偽善者」の増殖拡大。 いろんな指標を駆使して現在を分析しようと横文字を羅列する方々が多いけれど、シンプルに「なんだろう、これは?」ってぼんやり感じたなら、「偽善者」がゾンビの如く増えていると置き換えて考えておけば通用します。...
フーコーは、スキンヘッド
ミシェル・フーコーを、哲学系のひとは「フーコー」、フーコーと簡単に呼び捨てます。フランス人の名前は日本語読みすると「おフランス」って印象される言語的なハードルがあります。で、フーコーですが、業界的には知の巨人と評することが多い。なんで同時代で同じフランス人のジル・ドゥルーズを知の巨人と評さないのかは、単に、若干フーコーの方が読みやすいだけだから、と僕は解しています。...
実は、みんな知らない原子爆弾
エンリコ・フェルミを知ってたら、あなたは結構な科学通(つう)。僕は20世紀に多大な影響を与えた著名人ベスト3に、軽く エンリコ・フェルミ を入れちゃうぐらい、このひとがいなかったらどんだけ世界は違っていたか、と惚れ惚れする頭脳。 所詮、その他なん億人がどうであれ、民族や国家の影響からは脱走できないけれど、 エンリコ・フェルミ...
76年間、3世代にわたり戦争がない日本
徳川幕府の250年間続いた平和の世、ってのは帝国主義諸外国が日本に攻めにくるには、日本はあまりにも「極東」で遠すぎ、近くの大国「中国」も常識を逸脱した秀吉の大陸出兵で、清朝になってからも敢えて日本は刺激せずとのトラウマが功を奏し、250年という世界史的に見ると極めてまれな平和を享受しました。 今の、日本の平和は、日本固有の「狂気」が飼いならされたポチになっているが為。平和の定義をただ一元的に戦争のない状況としただけでいいのか?と逆説的を問うても、理性は世界史の引き出しから「そのとおり、平和とは戦争がない状態」と問答無用です。...
レヴィ=ストロース「悲しき熱帯」
半世紀前に、構造主義としてもてはやされた「ものの見方」の慧眼がレヴィ=ストロース。「もの」は「者」でも「モノ」でも、要するに人間がどう対象を見ているか、を未開の民族をタネにして論説している美文が「悲しき熱帯」 もう、タイトルの「悲しき熱帯」と、言いたいことのギャップだけで一本勝ちです。ノーベル文学賞も授与され、世に抵抗して同じくノーベル文学賞を与えられたのに、受賞を拒否したジャン=ポール・サルトルを、結果的にはコテンパにやっつけてるのだけど、 レヴィ=ストロース はその文体は熱くてとてもスマートです。...
「七つの夜」 J・L・ボルヘス
ホルヘ・ルイス・ボルヘス、作家名を知っているか知らないかで、かくも<大衆>と<好奇心をもつ人間>を分かつ目安のトップに現在位置するのがボルヘスちゃいますかな、、、 もちろん、この場合の大衆とは(僕が)ケチョンケチョンに扱っているヒトたちです。 逆に幸運をつかむ、つかめるヒトは群れを嫌い、野心と憩いの間に好奇心を月夜に引っ掛けられるヒトたちです。 「千一夜物語」アラビアンナイトですが、ボルヘスに説明させると、あっというまに魔法を堪能できます。...